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ビジネスモデルキャンバスで考えるSpotifyのビジネスモデルとは

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太古の昔から現代まで、永きにわたって人々は音楽を愛し続けてきました。機器や機能の高度化に伴って、レコードが生まれ、CDやMDができたと思ったらAppleがiPodを発売するなど、メディアのカタチは流動的に変わっています。今ではほとんどの方が、スマートフォンやMP3プレーヤー、PCなどを通して音楽を楽しんでいるでしょう。

そんななか誕生したのが無料で音楽やビデオなどを視聴できるサービスの「Spotify」です。数々のサービスやアプリケーションなどがひしめくなか、1億4000万人以上のアクティブユーザー数を誇っています。

今回はどうしてSpotifyがここまでのユーザー数を獲得できたのか、そしてどこで収益化できているのかなどをご紹介。ビジネスモデルキャンバスの9つの項目を用いて解説します。


 
 

Spotifyは失敗からスタートした

Spotifyローンチされたのは2008年です。あらゆるメジャーレーベルと契約し、多くのプレイリストをサービス内に構築しました。はじめは基本的に有料会員だけを募っており、スペシャルオファーを受けた方だけが無料でサービスを利用できるモデルを構築しましたが、その結果は440万ドルの損失。大惨敗したのです。

2009年に無料サービスを打ち出しユーザー数獲得に乗り出すも、今度は登録者数が爆発的に増えすぎたせいで内部の混乱が発生。結局、もとの有料制に戻すことを余儀なくされました。

有料化と無料化の狭間で悩んでいたSpotifyは現在、フリーミアムというモデルを軸にしています。フリーミアムとは、無料化で会員数を伸ばして、プレミアムな有料サービスで収益化を図るモデルです。詳しくは下記の記事をご覧ください。

 
 

Spotifyのサービスはどこが優れているのか

Spotifyのビジネスモデルで注目すべきなのはこのフリーミアムでしょう。基本的にユーザーは約4000万曲の音楽やビデオを無料で聴けます。また聴いた曲をプレイリスト化し、友人や家族と共有できるうえに歌詞を表示するサービスもある。さらに訪れたアーティストのページを分析し、自分に最適なプレイリストを自動で作成してくれます。無料でここまでのサービスを受けられるのはユーザーにとって魅力的でしょう。

月額制のプレミアムサービスに入会すると、ユーザーはさらなる価値を得られます。自分の好きな曲順でアーティストのアルバムやプレイリストを聴けたり、ダウンロードしてオフラインで聴けたり、音質を自分で調整できたりと、かなり自由度が広がるのです。

その結果、2017年には無料会員1億4000万人に対して有料会員が6000万人と40%以上の高いコンバージョン率を叩き出しました。フリーミアムの有料会員への移行率は一般的に10%を超えないといわれています。40%という数字の高さがよく分かるでしょう。

 
 

Spotifyのマネタイズのポイントとは

Spotifyは2本の柱を軸に収益を挙げています。1つは有料会員からの会員料。そしてもう1つが広告です。非常にわかりやすくシンプルなビジネスモデルですので、きっと理解しやすいでしょう。

Spotifyは月に1億4000万人もの人間が使用するサービスです。その影響力はすさまじく、あらゆる企業がSpotifyに広告を出しています。しかも昔ながらのバナー広告ではなく、オーディオ広告を使うことで視聴者の目を惹いているのもポイントです。

 
 

ビジネスモデルキャンバスを使って解読


 

1. 顧客セグメント(CS)

・サービスにお金を払いたくない方

・音楽を愛する多くの方

・音楽の勉強をしたい方

・サイトに利用価値を見出す広告主

 

2. 提供価値(VP)

・いつでもどこでも音楽を無料で楽しむことができる

・巨大な記憶容量がある

・プレイリストと好きな音楽をストックできる

・広告のさまざまな形態があり、広告主に選択の自由がある

 

3. チャネル/販路(CH)

・Spotify.comというサイト

・Webやモバイル、デスクトップアプリなど

・スピーカーやスマートウォッチ、タブ、テレビなど

・家族全員が1回の支払いだけで利用できるSpotify Family

・Spotifyを通して成長したコミュニティ

・音楽イベント

・世界の主要都市周辺のビルボード

 

4. 顧客との関係(CR)

・常にオンラインで利用可能なストリーミング再生

・あなたの好みに合わせてカスタマイズされたプレイリストであるSpecial Spotify

・ユーザーフレンドリーで自動化されたアプリケーションの提供

・サードパーティのAPI

・Spotifyのコミュニティを構築

・サービスのファンベースがネットワークを構築できる

 

5. 収益の流れ(RS)

・フリーミアム。プレミアムバージョンにアップグレードしたいユーザーの有料サブスクリプションでの収益

・広告の掲載料

 

6. 主要な資源(KR)

・1600人以上の従業員

・自社のブランド力

・新しい革新的なアップデート、また進歩的な文化

・音楽のコレクション

・あらゆる契約

・彼らがユーザーに提供する機能

・毎月1億人以上に及ぶアクティブユーザー

・5000万人の有料加入者

・カスタマイズされたコンテンツ

 

7. 主要な活動(KA)

・サイトの維持

・さまざまなプラットフォームでのアプリケーション開発

・製品のロードマップ構築

・ライブラリの管理

・ユーザベースの拡大と、新しい契約の交渉

・音楽コンテンツの取得

 

8. 主要パートナー(KP)

・レコードレーベル。音楽事務所

・権利の保有者

・独立系のアーティスト

・統合されたサードパーティ

・インターネットサービス製品の開発会社

・クラウドプロバイダー

・買収した子会社

 

9. コスト構造(CS)

・オフィスの管理費

・人件費

・ライセンス料

・著作料

・ITオペレーションの費用

・製品ロードマップに関する費用

・コンプライアンスに関する費用

 
 

Spotifyのビジネスモデルとは

Spotifyのビジネスモデルで注目すべき点は「フリーミアム」を巧みに使っている点でしょう。無料ユーザーをプレミアムユーザーに育てるまでのロードマップがしっかり構築されています。現在、Spotifyの会員数は約5000万人。ライバルのApple Musicが3000万人なので、Spotifyは音楽のストリーミングサービス業界において、断然トップを独走していることになります。

しかし重要な事実が「Spotifyは創業以来、営業赤字」だということ。上場を果たした2018年も通年で見れば赤字が見込まれています。これは音楽レーベルやミュージシャンに対してのロイヤリティを支払わなければいけないことが原因です。この課題を克服しない限り、Spotifyの、そして音楽市場の再生はありません。

今回、Spotifyのビジネスモデル分析でも使用したビジネスモデルキャンバス(BMC)は、以下のURLから誰でも簡単に作成できます。ぜひお気軽にご利用ください。


 
 

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